額田郡幸田町で36年地域に根付いた医療を行っている歯医者『わたなべ歯科』の藤田です。
お子さまの歯磨き粉はどのようなものを使用していますか?種類が多すぎて歯磨き粉の選び方が分からないという方も多いでしょう。以下のようなお悩みもよく耳にします。
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歯磨き粉を使えるのは何歳から?
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むし歯予防に適した歯磨き粉は?
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歯磨き粉は飲み込んでも大丈夫?
前回はお子さまの正しい歯磨きの仕方についてお伝えしましたが、今回は歯磨き粉の選び方についてお話します。セルフケアでお子さまのむし歯予防効果を高めるためにもぜひご参考にしてください。
■歯磨き粉を使用するのは何歳から?
歯磨き粉を使い始める時期の目安は、うがいができるようになる年齢です。そのため3歳ごろから歯磨き粉を使い始めるのがおすすめです。
うがいができるようになるまでは、保護者の方がガーゼや水で濡らした歯ブラシを使ってきれいに汚れを落としてあげましょう。
■歯磨き粉は飲み込んでも大丈夫?
歯磨き粉は多少飲み込んでしまっても身体に問題はありませんが、うがいができるようになってから歯磨き粉を使い始めることが望ましいでしょう。
また、歯磨き粉を使用しなくても、きちんと歯ブラシでを当てて磨けば歯垢はきれいに落とせます。「うがいができないからまだ歯磨き粉を使えない」と焦らなくても大丈夫です。小さいお子さまで歯磨き粉を嫌がる場合も無理に使用する必要はないでしょう。
※日本歯科医師会|うがいの練習・指導
■年齢別おすすめの歯磨き粉
歯磨き粉を使用しなくても歯垢は除去できますが、歯磨き粉に含まれているフッ素を活用することで、よりむし歯の予防効果を高められます。
そのため、うがいができるようになり、歯磨き粉を使えるのであれば、年齢に適した歯磨き粉の積極的な使用をおすすめします。
◎乳幼児期(0~2歳)
この時期は無理に歯磨き粉を使用する必要はありません。2歳までは900~1000ppm程度の歯磨き粉をごく少量(約1~2mm)の使用にとどめましょう。
小さなお子さまでも不快感を抑えられる発泡剤が含まれていないジェルタイプを選び、うがいができない場合は最後に軽く拭き取りましょう。
◎幼児期(3~5歳)
幼児期はむし歯リスクが高まる時期です。うがいができるようであれば積極的に歯磨き粉も使用したほうがよいでしょう。フッ素濃度が900~1000ppm程度の歯磨き粉を約5mm使用してむし歯予防を心がけましょう。
◎学童期(6歳~)
この時期からは乳歯から永久歯に生え変わるため、よりむし歯予防を強化したい年齢です。
厚生労働省により、6歳未満の子どもは1000ppm以上のフッ素濃度は使用しないように示されていますが、6歳以上であればフッ素濃度が1000~1500ppm以下のフッ素濃度の歯磨き粉も選択可能です。
6歳以上のお子さまの場合は1400~1500ppm前後のフッ素濃度を目安にしましょう。
※参照:日本小児歯科学会|
※参照:厚生労働省|フッ化物を配合する
薬用歯みがき類の使用上の注意について
【むし歯はセルフケアで予防できる】
むし歯予防に特化した歯磨き粉にはフッ素が配合されており、フッ素には「歯質の強化」「むし歯菌の活動を抑制」「再石灰化の促進」の3つの効果があります。
年齢に適したフッ素濃度の歯磨き粉を毎日使用することで、より高いむし歯予防効果が期待できます。歯磨きする際は、次の順序に従って歯磨きしましょう。
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最初は歯磨き粉を使用せずに歯磨きして歯垢を除去する
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しっかりと口をゆすぐ
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歯磨き粉が全体に行き届くようにブラッシングする
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歯磨き後は1回程度、軽くゆすぐ
お子さまに適した歯磨き粉の選択で悩まれている方は、味や匂いのほかにフッ素濃度にも着目して選んでみてください。