額田郡幸田町で36年地域に根付いた医療を行っている歯医者『わたなべ歯科』の藤田です。
お子さまの歯について、次のようなお悩みや疑問を持つ保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
- 毎日歯磨きしていたのに子どもがむし歯になった
- 子どもの歯でむし歯になりやすい場所はどこ?
- むし歯になりやすい人の特徴は?
今回は、お子さまの歯がむし歯になりやすい理由と、むし歯になりやすい場所や人の特徴についてお伝えします。
目次
■乳歯がむし歯になりやすい理由
乳歯が永久歯に比べてむし歯になりやすいのは本当です。その理由3つを説明します。
◎1.歯の質がやわらかい
生えて間もない乳歯はやわらかく、唾液の中に含まれるカルシウムを取り込んで、徐々に硬くなっていきます。十分に乳歯が硬くなるまでに2~4年ほどかかり、1~5歳はむし歯になりやすい時期です。
※出典:文部科学省ホームページ
◎2.生えかわりの時期に歯磨きが不十分になりやすい
生えかわりの時期は、歯の高さや段差、歯の重なり、すき間が生じやすくなります。そのため、すみずみまで歯ブラシが当たりにくく、磨き残しが増えてむし歯のリスクが高まります。
◎3.むし歯の進行が速く、症状が出にくい
乳歯と永久歯はどちらも歯の表面にエナメル質という層があり、むし歯菌から歯を守っています。しかし乳歯は永久歯よりもエナメル質が薄いため、むし歯になりやすく進行が早いという特徴があります。
痛みなどの症状がはっきりと現れないため、気づかないうちにむし歯が重症化していることも少なくありません。
■乳歯のむし歯による悪影響
「乳歯がむし歯になっても、永久歯に生えかわるから放っておいても大丈夫」と思う方もいるかもしれません。しかし、乳歯がむし歯になると、さまざまな悪影響をおよぼします。
◎歯並びが悪くなる可能性がある
健康な歯が揃うことで正しい歯並びがつくられるため、むし歯によって歯が小さくなったり抜けたりすると、歯並びが悪くなる可能性があります。
◎永久歯もむし歯になりやすい
むし歯周辺は汚れが溜まりやすい環境になりやすいため、周りの永久歯もむし歯になりやすい口腔環境です。
◎よく噛まずに食べる癖がつく
むし歯があると、イカや肉類などのしっかり噛む必要のある食品を噛んだときに痛みが出やすくなります。そのため「好き嫌いをする」「よく噛まずに食べる」「片側で食べる」などの癖がつく恐れがあるでしょう。
またその結果、消化不良や顎の骨・噛む筋肉(咀嚼筋)の成長発育が妨げられるなど、全身への悪影響を引き起こします。
◎心理面への影響
むし歯の痛みがあると「食事の時間が苦痛に感じる」「給食を食べるのに時間がかかり、注意されて辛い」など、心理面への影響もみられます。
■乳歯がむし歯になりやすい人の特徴
次のような生活習慣は、乳歯がむし歯になりやすいため注意が必要です。
- 糖質(特に砂糖)を、おやつや寝る前にとる
- 不規則に砂糖を含む食べ物やジュースを口にする
- 歯にくっつきやすいキャラメルなどの砂糖を含むおやつをよく食べる
- 夕食を遅い時間に食べる
- 食後や間食後に歯磨き習慣がない、歯磨きが不十分
■乳歯のむし歯になりやすい場所
甘い飲み物などが触れやすい箇所、清掃が不十分になりやすい箇所は乳歯がむし歯になりやすい場所です。特に以下のような部分は注意しましょう。
- 上の前歯の歯と歯が接する部分
- 上の前歯の歯ぐきのキワ
- 下の奥歯の溝部分
- 奥歯と奥歯が接する部分
【ご家庭での歯磨きと歯科医院でのケアでむし歯予防】
乳歯はむし歯になりやすく、進行も早いという特徴があります。特に上の前歯や奥歯の溝、歯と歯の接する面はむし歯になりやすい場所です。乳歯がむし歯になると、歯並びの悪さや全身へも悪影響をおよぼします。
ご家庭で、むし歯になりにくい生活習慣や、生えかわりの状態にあった歯磨きを続けましょう。あわせて歯科医院での定期検診などを通して、歯質を強くするフッ素塗布、奥歯の溝を埋めるシーラント処置でむし歯を予防することが大切です。