「奥歯の銀歯を白くしたい」「どの素材が長持ちするの?」「ジルコニアとセラミックの違いがわからない」といった悩みは多くあります。
奥歯の詰め物や被せ物は、見た目だけでなく噛む力への耐久性も重要です。ここでは、奥歯に使われる代表的な3つの素材──ジルコニア・e-max(オールセラミック)・メタルボンドの特徴を解説します。
目次
■奥歯に詰め物・被せ物を選ぶときのポイント
奥歯は噛む力が強く、耐久性や歯への負担、将来的な安定性を考慮することが大切です。見た目が気になる場合や、金属アレルギーを避けたい場合は、審美性や素材も意識して選びます。
◎耐久性と咬合力
奥歯は噛んだ時に強い力がかかる部位で、割れにくく耐久性の高い素材が安心です。被せ物の厚みや噛み合わせの設計も成功に影響します。
◎審美性の必要度
奥歯は前歯ほど目立ちませんが、口を開けたときに見える場合や、金属のギラっとした感じを避けたい場合には審美性も考慮します。
■e-max(オールセラミック)の特徴
透明感が高く自然な色調を再現できるガラス系素材で、前歯だけでなく奥歯の小さな詰め物や単独の被せ物にも適しています。
見た目が自然で、金属を使っていないため金属アレルギーの心配もありません。着色しにくい素材である点もメリットです。奥歯では強すぎる力が加わると割れることがあり、厚みを確保するために削る量が増える場合があります。
自由診療のため費用はやや高めです。
■ジルコニアの特徴
人工ダイヤモンドと呼ばれるほどの強度があり、奥歯の詰め物・被せ物としてメリットが多い素材です。耐久性が高く、金属アレルギーの心配もありません。
ただし透明感はe-maxよりやや劣り、歯を削る量や装着時の調整が必要な場合があります。
■メタルボンドの特徴
金属フレームにセラミックを焼き付けた素材で、耐久性と審美性のバランスが良く、奥歯の被せ物やブリッジに適しています。摩耗や変色に強く長期使用に向きますが、金属アレルギーがある方には注意が必要で、使い続けるうちに歯ぐきの縁が黒ずむことがあります。
■奥歯にどの素材を選んだらいい? その考え方とは
奥歯に使用する詰め物・被せ物は、どの素材が正解というわけではありません。それぞれの特徴を理解し、噛み合わせや希望に合わせて選ぶことが大切です。
◎審美重視の場合
前歯部分や、より天然歯に近い見た目を再現したい時はe-maxが向いている場合があります。
◎耐久性重視の場合
噛む力が強い奥歯にはジルコニアがメリットが多い素材で、破折リスクを抑えられる傾向があります。
◎ブリッジや長期使用の場合
複数歯をつなぐブリッジや、長期間安定させたい場合はメタルボンドも適しています。
■セラミック治療で素材を選ぶ際の優先順位のヒント
素材を決めるときは、まず自分が重視するポイントを明確にしましょう。『見た目を優先するか』『耐久性を優先するか』『金属アレルギーの有無』などを整理すると、歯科医師と相談しやすくなります。
【ご自身のお口の状態に合わせた素材を選択しましょう】
奥歯の詰め物・被せ物は、e-max・ジルコニア・メタルボンドのどれも選択肢になります。
どの素材にもメリット・デメリットがあり、一長一短です。奥歯の咬合力や生活習慣、予算など、希望する仕上がりに合わせて素材を選ぶことが重要です。歯科医師と相談し、自分とって適切な素材を選びましょう。