額田郡幸田町で 36 年地域に根付いた医療を行っている歯医者『わたなべ歯科』の藤田です。
「根管治療」とは歯の根っこの治療のことです。言葉では聞いたことがあっても、実際にどのような治療をするのか分からない方が多いでしょう。「根管治療」と聞いて以下のように思われる方もいらっしゃるかもしれません。
-
根管治療はどんな時に必要?
-
痛みがなくても根管治療はしないといけない?
-
根管治療を放置するとどうなる?
今回は根管治療の治療内容や放置するリスクについてお話します。根管治療に不安がある方はぜひご参考にしてください。
■根管治療とはどんな治療?
根管治療を大きく分類すると以下の2つに分けられます。
-
抜髄(ばつずい)
-
感染根管治療
抜髄とは「神経を抜く処置」ともいわれます。歯の根っこの中には、神経や血液が含まれている「歯髄(しずい)」という組織があります。大きなむし歯で激しい痛みを伴う場合、歯髄を取り除いて根っこの中をきれいに消毒し、薬を詰める根管治療を行います。
一方で、感染根管治療とはすでに神経が死んでしまっている歯や、過去に根管治療を行っている歯が細菌感染を起こしている場合に行う治療です。汚染された根っこの中を消毒して無菌状態にしてから薬を詰めます。
どちらも歯の根っこの治療であるため根管治療と呼ばれますが、治療の目的が異なります。
また、感染根管治療は細菌感染を起こしてしまっている根管内を無菌状態にしなければならないため、抜髄よりも治療の難易度は高まります。
■むし歯の進行度と治療方法
どのくらいのむし歯で根管治療が必要になるのか、気になる方も多いでしょう。
むし歯の進行度別の治療法を以下の表にまとめています。
|
治療方法 |
C0 初期虫歯 |
歯の表面のエナメル質が溶け始めた状態。まだ歯に穴があいていないため、ブラッシング指導やフッ素塗布で再石灰化を促す治療を行います。 |
C1 エナメル質にとどまったむし歯 |
エナメル質が溶けて穴があき始めた状態。 むし歯部分を削り、歯科用プラスチックを詰める治療を行います。 |
C2 象牙質まで進行したむし歯 |
エナメル質の内部にある象牙質にまでむし歯が進行した状態。 むし歯部分を削り、歯科用プラスチックを詰める治療を行います。 むし歯の範囲が広い場合は、型取りをして詰め物を装着することもあります。 |
C3 神経まで達したむし歯 |
むし歯が神経にまで達している状態。 根管治療を行った後、土台を立てて被せ物を装着する治療が必要です。 |
C4 歯根まで達したむし歯 |
根っこまでむし歯が達しており、歯の大部分が溶けてなくなってしまっている状態。 抜歯が必要となるケースがほとんどです。抜歯した後は、入れ歯・ブリッジ・インプラント・歯牙移植のいずれかの方法で、機能面や審美面の修復が必要です。 |
■根管治療を放置するとどうなる?
根管治療が必要であるのにも関わらず治療せず放置していると、歯を失うリスクが高まります。自然と治ることがなく、根っこの中で細菌感染が広がるからです。炎症が骨や周囲組織まで広がり膿が溜まることもあります。
根管治療の途中で「痛みがなくなったから」と通院をやめてしまう方もいらっしゃいますが、適切な処置を行っていなければ抜歯が必要になることもあるため、治療を完了するようにしましょう。
【歯の寿命を延ばすためには適切な根管治療が必要】
歯の根っこの形は複雑であり、目視では確認しづらいため、根管治療は難易度が高い治療です。適切な根管治療を行っていなければ、細菌感染を引き起こして再治療が必要となります。治療を繰り返すことで歯は脆くなり、寿命が短くなってしまいます。
根管治療でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。